Spin Dome

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無限回転可能な小型球面ディスプレイ

 体験者の周囲を取り囲むようにスクリーンが配置され、視野を覆うように映像を提示する装置は、没入型ディスプレイと呼ばれます。その中でもスクリーン形状が球になっているものは、全方向において体験者の視点からスクリーンまでの距離が等しくなるという点において、理想的な映像提示が可能です。一方で全周をスクリーンで覆うことによる弊害として、体験者がスクリーン内に入ることが難しくなることが挙げられます。
 SpinDomeは、一部切り欠きのある直径90cmの球面スクリーンを回転台に乗せることで、体験者の出入りを容易にしつつ、自由に見る方向を変えることが可能です。SpinDome 2017では、約10年前に開発されたシステムをベースに改良を施し、光学系をシンプルにしつつ解像度向上と、よりリッチな映像表現が可能になりました。本装置では魚眼レンズを装着した1台のプロジェクタから、ゲームエンジンを使用し生成したバーチャル空間の映像を投影し、体験者の水平視野角を約240度覆うことができます。

バーチャル空間内を散策する

 SpinDomeは、距離画像センサによって体験者の足踏みを検出可能です。回転動作と歩行動作を組み合わせることで、バーチャルな空間内を散策することができます。本装置は、コンテンツとして横浜中華街のCGモデルを用意し、つくばエキスポセンター平成29年春の企画展「3次元のかたち~作る技術、感じる技術~」にて、一般展示を行いました(茨城県つくば市, 2017)。

—Spin Dome 2017


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関連する論文等
  1. 棚橋新七,矢野博明,岩田洋夫,”小型没入球面ディスプレイ「スピンドーム」における立体視”, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌,13(3).pp.325-332.2008.